タロットの歴史
 

 タロットカードは今ではヨーロッパやアメリカ、世界中で一般的な占い用カードとして使われていますが、その起源は正確には知られていません。エジプト起源説、インド起源説といろいろな推測がなされています。エジプトあるいはインドからジプシー によって持ち込まれたという説があります。あるいはオリエントから聖堂騎士団が持ち帰って来たとも言われています。

 タロットの起源がよく掴めないのはこれが一般に流布していった十四世紀頃のヨーロッパはキリスト教封建制の時代で、異教徒の秘儀の香りがする不可思議な象徴に権力の 弾圧が加わったからだと思われます。ルネッサンスの頃タロットは船乗りや民衆の遊びの道具に形を変えて根強く生き残っていきました。これが現在の日本で「トランプ」と呼ばれるゲーム用カードの原型にあたります。現在でもヨーロッパではゲーム用タロットカードも出回っています。

 その後十九世紀末の魔術の復活の動きに乗ってタロットカードも秘密結社「ゴールデンドーン」マクレガー・メイザースやアーサー・E・ウェイト、今世紀最大の魔術師 といわれるアレイスター・クロウリーなどの手によって占星学的な意味づけやカバラ哲学による解釈が付け加えられ、今日のタロットに変貌していきました。
このようにタロットが幾多の変貌の歴史を持つということはこの22枚の大アルカナ、56枚の小アルカナからなる78枚のデッキがいかなる概念をも象徴できる普遍的な形態を持っているということではないでしょうか。この78枚のカードは万物、地球上 以外の宇宙をもすべて割り当てることができる完璧な象徴体型を持っています。また、エジプトの秘儀やユダヤ教のカバラ哲学 「生命の木」ヘブライの22の文字、占星学 のサイン、そして私が日常に占っているような個人的な恋愛や仕事の悩みなど従順に順 応する包容力を備えています。

 二十世紀末の現在、タロットはこの瑛利奈の「山手タロット館」でインターネット上のプログラムに姿をかえて、それでもなおタロットの主体性を厳然と!保っています。  これからもまだタロットは時代と共に変貌して行くことでしょう。
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